昆布のいろいろ
昆布はどうして縁起が良い?
鎌倉・室町時代から今日まで『よろこんぶ』として、縁起物とされています。 昆布が"縁起物"と言われるようになるまでには、 長~い歴史が存在します。 |
よろこぶを広める、昆布の別名“ヒロメ”です 「ヒロメ」とは幅が広い海藻の意味で、「広布」と表していました。 それが音読みされだして「こんぶ」と呼ばれるようになったという説があります。 この「ヒロメ」という言葉が、結婚披露宴を「おひろめ」と呼ぶ語源と言われています。 また、現在でも祝儀の時には、幅の広い昆布(ヒロメ)を縦二つに折ってぐるぐる巻き、 紅白の紐で結んだものを床の間に飾るという習慣が残っている地方もあります。 |
結納にも使われる子生婦(こんぶ) 広く一般の人まで、昆布をお祝いごとに使うようなったのは江戸期から。 結納の席にも、子生婦(こんぶ)として登場するようになりました。 昆布の繁殖力の強さもあって"よい子が授かりますように"と用いられていたようです。 しかし、食物繊維やカルシウムがたっぷりの昆布は、 妊婦さんにはうってつけの食品という側面もあったのかもと推測されています。 |
昆布は、平安期にはすでに祝膳にのぼったそうです。 |
やまひこの縁起の良い昆布の贈り物はこちらから↓
※参照 日本昆布協会ホームページ http://kombu.or.jp/
昆布はどうやって採れるの?
2006年営業部で昆布知識を深めるため昆布の産地、北海道へ研修に行ってきました!
さっそく、小さな舟にのって昆布をとりに行ってきます!
昆布ってけっこう小さな舟で採っているんですよ~。
昆布は外海に面した比較的浅瀬の、波の荒い岩礁地帯で生育。
地域や、昆布の種類にもよりますが、おおよそ5~8mくらい(ところによって20m)の深さで生えています。
天然昆布は、先がL字に曲がった長い棒などで、昆布をからめて採ります。
昆布で舟が満タンになったら一旦浜へ戻り昆布を降ろします。
この作業を朝早くからおよそ10時ころまで繰り返します。
ちなみにこちらは『拾い昆布漁 』 の様子です。
『拾い昆布(流れ昆布)漁 』 とは、 岩から剥がれて浜辺に打ちせられた昆布を拾う採取の仕方です 。
船から降ろした昆布は、干場で乾燥の工程に入ります。(一部地域は乾燥室に入れるところもあります。)
干すことによって、はじめて昆布のうまみ成分(グルタミン酸)が生まれ、その昆布を水から煮ることによっておいしい出汁がでます。(つまり、 海中では昆布のだしは出ません。)
天日干しした昆布の長さをそろえて倉庫へ入れています。バンドの色によってグレードを仕分けています。
こんな感じで出荷されます。一本なんと20kgもあるんです!
※参考文献: こんぶネット (社団法人日本昆布協会)
昆布の歴史
18世紀、蝦夷地(北海道)の開拓以来、こんぶを食べる地域は時代とともに広がっていきました。この昆布が運ばれていった道を、“こんぶロード”と呼びます。
室町時代には、昆布は越前国敦賀(福井県)まで船で運ばれるようになりました。そこから陸路を通り、琵琶湖(滋賀県)を船で渡って、京都に昆布が送られていました。
海上交通がさかんになった江戸時代には、北前前船を使い、下関から瀬戸内海を通る西廻りの航路で、直接、商業の中心地である「天下の台所」大阪まで昆布が運ばれるようになりました。
また、こんぶロードは江戸、九州、琉球王国(沖縄)、清(中国)へとのびていきました。
特に琉球王国は薩摩藩(鹿児島県)と清とのこんぶ貿易の中継地として、重要な役割を果しました。
こんぶロードがのびて新しい土地に昆布がもたらされると、そこに独自のこんぶ食文化が生まれました。たとえば、大阪ではしょうゆで煮てつくだ煮にしたり、沖縄では、昆布を豚肉や野菜といためたり、煮込んだりして食べています。
いっぽう、関東地方はこんぶロードの到達が遅かったため、全国的にみて昆布の消費量が少ない地域となっています。このように、現在みられる地域による食べ方の違いは、こんぶロードの歴史的背景と関連があるのです。
昆布の栄養と美容
こんぶは健康 ・ 美容食品
-栄養の宝庫-
ストレス解消&骨粗鬆症予防に効果 -カルシウム-
子供の成長期には欠かせないカルシウム。また、高齢になると骨がもろくなる「骨粗鬆症」はカルシウム摂取の不足が原因。そしてカルシウムは精神を安定させる効果があり、現代のストレス世代には不可欠な栄養素。ストレスがたまったとき、カルシウムの吸収を良くするとストレスをやわらげる。乾燥昆布には牛乳の約7倍のカルシウムが含まれている。このことから成長期の子供や大人にとって欠かせない食品である。
高血圧&成人病予防に効果
-食物繊維 ・ アルギン酸 ・ ラミニン ・ ミネラル(銅)-
昆布に多く含まれる食物繊維は、塩分や腸内の余分なコレステロールや糖分などを吸着して対外に排出する成分で、昆布に含まれているアルギン酸もその一つ。アルギン酸はヌルヌルしているのが特徴。ラミニンという特有のアミノ酸は血圧を下げる働きがある。
昆布に含まれている無機質のミネラルのなかの「銅」は人体にとっての悪玉コレステロールが酸化するのを防ぎ、動脈硬化の防止に役立つ酵素を作る。
「マグネシウム」は食塩を細胞の外にくみ出すポンプの働きを良くし、高血圧を防ぐ。充分に摂取すると心筋梗塞や脳卒中が起こりにくくなるといわれている。「カリウム」は食塩を体外に追い出す働きがあり、高血圧、脳卒中の予防に効果がある。
ダイエット&便秘に効果 -食物繊維 ・ アルギン酸-
昆布に多く含まれる食物繊維、アルギン酸は消化しにくい成分のため腸の働きを活発にし、便通をよくする。このとき食物繊維は余分なコレステロールも一緒に排出するので、肥満を防ぐ効果もある。
また、豊富な栄養を持ちながら、極めて低カロリーな昆布は、胃の中で水分を吸収してふくらむので満腹感を味わうことができアルギン酸は腸の働きを活発にする理想的なダイエット食品としても注目されている。
肌にうるおい&貧血に効果 -ヨード(ヨウ素) ・ 鉄-
ヨードは甲状腺から分泌されるホルモンの主な原料で、体をつくる細胞の新陳代謝をスムーズにし皮膚にうるおいや張りを与え、肌を美しく保つことにも役立っている。昆布にたっぷり含まれているヨードは、ホルモンに作用し肌を美しくする働きがある。また、酵素やタンパク質をつくるミネラルとビタミン類は、貧血を改善し顔色をよくする鉄分も多く含まれていて、昆布は美容食品としても高く評価されている。
ヨードは食べ過ぎると甲状腺の機能低下を引き起こしますが、普通に食べる量では全く問題ない。
昆布に含まれている「U-フコイダン」は
ガン細胞の自己消滅を誘導する作用がある
コンブやワカメなど褐藻類に含まれる多糖類の一種「U-フコイダン」に、ガン細胞のアポトーシス(細胞の自殺)を引き起こす作用があることが宝酒造バイオ研究所、糖鎖工学研究所の共同研究で第55回日本癌学会(1996年10月)で報告された。また、U-フコイダンとともに発見された「F-フコイダン」には老化防止に有効といわれているHGF (肝細胞増殖因子)の生産を誘導する作用があることも発表されている。
U-フコイダンは乾燥コンブに約1%含まれる多糖類。U-フコイダンは腫瘍を小さくする効果を持つとされてきたが、未確認だった。そこで、結腸ガン細胞約1万個を入れたシャーレに、コンブから取った1リットル当たり1グラム濃度のU-フコイダン液を注入。この結果、24時間後にガン細胞は半減、72時間後にはほぼゼロになった。
この過程を分析したところ、ガン細胞のDNA(デオキシリボ核酸)が分解され、細胞も小さくなるなどアポトーシス特有の現象が見られた。逆にU-フコイダン液を入れなかったシャーレのガン細胞は72時間後には10万個に増殖。結腸ガンのほか、骨髄性白血病細胞や胃がん細胞でもほぼ同じ結果が得られたが、正常細胞ではアポトーシス作用はなかった。
アポトーシスは多細胞生物で一部細胞が自壊する現象。
※参照 社団法人 日本昆布協会 「こんぶは健康・美容食品」
こんぶ巻作り方
鮭(切り身) 2 切 昆布( 10cm × 20cm )× 4 枚 かんぴょう ① 昆布は 10 分ほど水で戻す。(戻した水は煮るときに使うので捨てないでください。) ② かんぴょうは濡らして塩もみして水洗いする。 ③ 昆布の切り口を左右にして広げ 、巻きやすい大きさに切った鮭をのせて前から巻き、巻き終わりを下にしてかんぴょうで結びます。 かんぴょうは、むだが出ないように「長いまま昆布に巻いて結んでは切る」を繰り返す。 ④ 戻し汁と酒を鍋に入れ、落としぶたをして30分くらい煮る。 アクが出たらていねいにすくう。 ⑤ 砂糖、醤油、みりんを加え、照りがよくなるくらいまでさらに30分~40分くらい煮詰める。 | |
ごぼう 1 本 昆布( 10cm × 20cm )× 4 枚 かんぴょう ① 昆布は 10 分ほど水で戻す。(戻した水は煮るときに使うので捨てないでください。) ② かんぴょうは濡らして塩もみして水洗いする。 ③ ごぼうは洗って皮をこそげ取る。鍋にたっぷりの水を注ぎ、米を加えてゆでる。(米のとぎ汁があるときは、とぎ汁を使う。 ) ⑤ 戻し汁と酒を鍋に入れ、落としぶたをして30分くらい煮る。 アクが出たらていねいにすくう。 ⑥ 砂糖、醤油、みりんを加え、照りがよくなるくらいまでさらに30分~40分くらい煮詰める。 | |
薄切り牛肉 200g 昆布( 10cm × 20cm )× 4 枚 かんぴょう ① 昆布は 10 分ほど水で戻す。(戻した水は煮るときに使うので捨てないでください。) ② かんぴょうは濡らして塩もみして水洗いする。 ③ 昆布の切り口を左右にして広げ 、4等分した牛肉をのせて前から巻き、巻き終わりを下にしてかんぴょうで結びます。 かんぴょうは、むだが出ないように「長いまま昆布に巻いて結んでは切る」を繰り返す。 ④ 戻し汁と酒を鍋に入れ、落としぶたをして30分くらい煮る。 アクが出たらていねいにすくう。 ⑤ 砂糖、醤油、みりんを加え、照りがよくなるくらいまでさらに30分~40分くらい煮詰める。 |